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「美しき英国パブリック・スクール」その前に [英国]

いよいよ来週『美しき英国パブリック・スクール』が発売されます。
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先月末で最後の修正作業は終わっているのですが…。

まず本を読まれる方に少し説明をさせていただきます。
別の日付のブログでも書いたのですが、ここ数年で
パブリック・スクールへの取材のハードルがぐんと上がりました。

今回の本は、学校を訪問して取材できたのが5校(うちハロウは、
生徒のいない間に重要な建物の撮影のみOK)でした。
英国のパブリック・スクールとして、日本人に一番認知度の高い
イートンは取材申請を何度か行ったのですが、取材はかなわず。
一般が見学できるミュージアム(といってもごく限られた期間内)も、
昨年の取材時にはクローズしていました。
イートンについては『英国男子制服コレクション』
『2度目からのロンドン・ガイド』でも書きました。
今回は間接取材として、卒業生ふたりにインタビューをしました。

ひとりは現役のクラシック・ヴァイオリニスト。
もう一人はベンチャー起業家です。
特に後者のインタビューは、学内の驚きの情報が詰まっていて
大変面白い内容です。

同じく学校取材はできませんでしたが、ハリー杉山さんが語る
ウィンチェスター・カレッジのエピソードも名門英国男子校の青春、
という内容です。名門のプライド、ジェントルマンへの道のりの
スタートがこういった学校なのかも、と思わせてくれます。

学校取材で在校生インタビューをしたときは、先生が同席
しているため、話が脱線せずちょっと物足りないお話になって
しまいましたが、卒業生が思い出として語る話は、パブリック・スクールに
興味をもつ人にはたまらないものがあるはずです。

ハロウ・スクールは、先生、生徒にお話を聞けなかったので
(以前別の本で取材したときは、校内を先生が案内してくれ、
卒業直後のOBがお話を聞かせてくれたのですが)、在校生の
ご家族にお話を聞くというちょっと変則的なパターンで、
学校のシステムやルールなどを聞きました。

本の出版元、太田出版のサイトや表紙で、
もしかしたらすべてが同じ条件で取材されていると
思われた方がもしかするといるかもしれませんが、
学校ごとに違うアプローチで紹介しています。
そのあたり、ご理解いただけると嬉しいです。

また、それぞれの学校にはウェブサイトがありますが、
そこには書いていないこと、そこを読んだだけではわからないこと
などを本で紹介しています。

発売後、本に未掲載の画像やエピソードなど、
可能な範囲でこちらに紹介していこうかと思います。

美しき英国パブリック・スクール

私の新刊『美しき英国パブリック・スクール』情報が、
版元とアマゾンで公開になりました。

実はこのブログを書いている時点ではまだあれこれ作業中ですが、
アマゾンなどネット書店では予約を開始しました。
一般書店さんでも太田出版の『美しき英国パブリック・スクール』
と伝えれば予約できます。

英国については、今までも取材をしてきましたが、
パブリック・スクールをテーマにしようと決めた時、
いろいろ考えました。今までもアカデミックなアプローチで
新書などで紹介されていましたが、私が知りたかったのは、
シンプルだけれど、意外と情報の少ない事柄。

例えば、
・寮の中はどうなっているのか?
・13歳からの寮生活で不自由はないのか?
・授業の様子はどうなのか?
・王族が通い、有名人が生まれるパブリック・スクールはどう特別なのか?

といったシンプルな疑問から始まりました。そしてシンプルな形=ヴィジュアル
中心に紹介する形にしたいと思いました。

そのためには、学校を実際に訪問し、撮影許可を得ることが最初の難関でした。
以前も、パブリック・スクールに実際訪れて取材をしたことはありますが、
テーマが制服だったためか、学校生活に踏み込むことなく取材できた
ことと、7年くらい前の当時はセキュリティの面も比較的穏やかでした。

今回はそのあたりが難しく、希望が通らないパブリック・スクールもありました。
ですが、取材許可の下りた学校では生徒へのインタビューから、朝礼の様子、
寮の部屋(寮は、個室も共同部屋も、生徒が部屋にいなくても先生の権限で
入室できるのです)、ダイニングホールでの食事の様子も取材できました。
日々、こんな場所でこんな学生生活を送っているのか!というのが
ヴィジュアルでわかります。
もちろん限られた取材時間を、ものすごい急ぎ足で行うのですが、
やはりスケールに圧倒され、優秀な生徒に感心し、学校の持つ伝統や誇りを
実感しました。すべての生徒ではないにしろそこにいる生徒自身、
そして卒業生の多くもそれを実感しているようでした。
自分が何者かを、何者になるべきかを考える場所だと。

本の売り出し文句として
「理想の英国男子はここで生まれていた」というキャッチコピーについて、
一部ご批判があったようです。これは出版社の方がつけてくれた言葉で、
私自身がダイレクトに書いたわけではないのです。
ただ、わかりやすい例として本にはそれを形成するキーワードがあります。
あるパブリック・スクールには「マナーが紳士をつくる」という
学校のモットーがあり、卒業生はそれを誇りにしています。
これは映画『キングスマン』にも出てくるセリフです。

解釈はいろいろありますので、受け止め方は人それぞれです。
以前にやはり「英国制服本に載せるなら全員白人男子にすべき」
という意見もありましたが、それについて異論も反論もしませんでした。

今回本の中でインタビューを受けてくれたパブリック・スクール卒業生は
くしくも、アジア人、アジア人とのミックス、ほかのヨーロッパ人との
ミックスという3人でしたが、それぞれ自分の卒業した
パブリック・スクールを誇りに思う聡明でスマートな英国紳士でした。
私にはそう感じられました。
あの学校があったからこそ、今の自分があった、とも彼らは話してくれました。
それが、あの言葉の裏にあると思ってほしいですが、
そのインタビューはかなり興味深い内容になっているので、ぜひお読みいただきたいです。
発売後、こぼれ話をぽつぽつご紹介していく予定です。

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寮生たちのリヴィングルーム、コモンルームと呼ばれる部屋。


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上記とは別の学校の外観